問題ばかりに目を向けず「成功例」に目を向ける課題解決法【国際協力】【ブライトスポット】【おすすめの本】

問題ばかりに目を向けず「成功例」に目を向ける課題解決法【国際協力】【ブライトスポット】【おすすめの本】
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皆さんはブライトスポット(輝点)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

「あるもの探し」と呼ばれることもありますが、1990年にベトナムのある村で栄養改善に取り組んだ1人の男ジェリー・スターニンの実例を交えながらご紹介しましょう。

この話は、良著「スイッチ!「変われない」を変える方法」(チップハース&ダンハ―ス著)に詳しく書かれています。

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問題ばかりに目を向けず、お手本となる成功例を探す

問題分析と課題解決の知識は「事実だが役に立たない(True but useless)」

スターニンはNGOセーブ・ザ・チルドレンのスタッフとして、ベトナムでの仕事を行う際、栄養不足が深刻な村での栄養改善の任務を任せられました。

通常ならニーズを知るために「何人の子どもが栄養失調で」「何の栄養が足りていないのか」を調査するのが定石なのですが、彼はそうしなかった。

彼はこういった知識を「事実だが役に立たない(True but useless)」と呼びました。

「この村の中にきっと栄養失調になっていない子どもがいるはずだ。その子どもを探して、どうして同じ村なのに栄養を取れているのかを調査して欲しい」とチームメンバーに伝えました。

村で見られたブライトスポットは?

すると、基準を満たす2人の子どもが見つかりました。そしてインタビューや観察を行なっていくと、他の家庭では行われていないたった2つの事が浮かび上がってきました。

① その村では、1日2食が基本だが、その家庭では3食に分けて食べられている

→栄養不足の子どもの胃では、多くの食べ物を一度に消化しきれない!


② その家庭では芋と一緒に芋の葉がよく食べられていた。さらに川から採ったエビやカニを米に混ぜて食べさせていた。

→貴重なたんぱく質やビタミンが食事に加わっていた!

それを知ったスターニンはすぐに、その家庭のお母さんと相談し、芋の葉を使った料理教室を村のお母さん全体に開く事を決定しました。

そうして、その村では1日3食、芋だけでなく芋の葉、魚介類を使った料理が食べられるようになり、半年後には65%の子どもの栄養状態が改善し、その後も維持されたそうだ。

超オススメの良本「スイッチ!「変われない」を変える方法」(チップハース&ダンハ―ス著)

このお話を詳しく知りたい方はぜひ、下記の「スイッチ!「変われない」を変える方法」(チップハース&ダンハ―ス著)をご覧になってください。

他にも

「象(感情)と象使い(理性)のお話」

「大事な一歩の台本を描く」

「習慣を生み出す」

など自分を変えるためのノウハウが具体的な例とともに紹介されています。

僕自身、実は何度もこの本を購入しています。買うたびに友人や後輩にあげてしまうので、何度も購入することになるんですが、それほど手元に置いておきたい一冊です!

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「大事な一歩の台本を描く」

「習慣を生み出す」

こちらの2つについてはこちらの記事も参考にしてください。

今あるものを活かすという考え方

国際協力の仕事をしていると必ずといってよいほどこんな問題にぶつかります。

先進国で使われている文明を現地に持ち込むかどうかといった問題です。

安全な水を得られない地域に、モーターを使って汲み上げる給水施設を作れば、確かに効率よく水を得ることができ、多くの人の手に水が行き渡るに違いありません。

この時、ほとんどケースにおいて、「水が得られていないのは何人いるのか?」「どの地域で最も水が不足しているのか?」といった課題とともに、「それじゃあ、給水施設が必要だ。作ってしまおう」という解決策がセットになって議論が進みます。

そして、上記のような汲み上げ式給水施設が完成するわけです。

それをすることで、持続的に村の人々は救われるのか?

しかし、同時に考えなければいけないのがネガティブインパクトと呼ばれる反動についてです。

確かに効率よく水が得られるようになる一方で、

誰がその施設をメンテナンスするのか?

モーターの作動に必要な燃料は?

ソーラーパネルを使っているのなら雨季はどうするのか?

など、文明を入れることによって、今まではなかった複雑な概念が、現場に持ち込まれることになります。

2015年のSDGs(持続可能な開発目標)の策定によりこぞって「持続可能な開発」が意識されるようになりましたが、やれトレーニングだ、やれ啓発活動だ、やれ協同組合だなど、システム作りや意識改革に力を入れることも多くなりましたが、数年で瓦解、機能しなくなるケースが大半です。

外部から人間が「これは便利できっと役に立つに違いない」といった思い込みは、現地からすると押し付けになりうることを自覚する必要があると僕は思っています。

それよりもまず考えるのは、「今何があるのか?」「それをどう活かすのか」ということです。ゼロから1を作る必要はありません。

今ある1をいかにして、10あるいは100に拡げていくかがポイントになり、その「今ある1」というのがまさにブライトスポットなのです。

併せて読みたい

まとめ

この話から得られる教訓は3つです。

1.何かを「改善」するためには必ずしも特殊な技術や新しい文明が必ずしも必要ではないこと。

2.何か「課題」がある場合、一方で「成功(ブライトスポット)」している事例が存在すること。

3.ゼロから1を作り出すのではなく、今ある1をいかにして10にするのかといった考え方

 

あなたも「無いものを探す」のではなく、今ある「当たり前」に目を向けてみませんか?

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